管理番号 | 新品 :98215755 | 発売日 | 2024/12/05 | 定価 | 11,400円 | 型番 | 98215755 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カテゴリ |
集英社が1963年に製作刊行した浮世絵版画集の一枚です。実物の浮世絵から、寸法も色もそっくりに製版、特漉和紙に印刷されています。約19cm×約50cm(台紙32×46)北斎は,狂歌摺物の絵に一新紀元を画している。そして宗理の号を廃して北斎と号した寛政10年(1798年)以後も,摺物の製作には,さらに努力しているが,宗理の号を用いたと考えられる寛政7年(1795年)から同10年(1798)年までと,寛政12年(1800年)から文化5年(1808年)ごろまでの画狂人を号した時期が,製作数では,他の時期に比べて多いといえる。本図も,画狂人を号した時期の作品であるが,横に細長い画面に笠とと土筆を配した構図は、北斎写とあるように,写生風の描写で,なかなか気のきいた図となっている。一般の錦絵は,摺る前に一度禁水(明礬を溶かした水に膠液を和したもの)を引くのであるが,摺物では,この作業をおこなわないため,絵具のつきがあわく,色調が軟調となる。この図など,摺物のそうした調子を最もよくあらわした作品といえる。笠のなかの紅,笠に用いられた版画独特の空摺りの技法が,土筆や蕨の緑と映えて、美しい絵に仕立てている。ここにも、その物の形を写実的にとらえる北斎の素描力の優秀さばかりでなく,その色彩的美しさを絵画的に表現した北斎の佳作といえます。(集英社画集説明書より抜粋)