管理番号 | 新品 :49696034 | 発売日 | 2024/01/14 | 定価 | 11,000円 | 型番 | 49696034 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カテゴリ |
日本の本格的なステレオ放送は69年3月にNHKが開始したことに始まります。勿論実験放送なものは63年から始まっていますが、恒常的な放送としては日本ではこれが最初の様です。このラジオは68年に発売されており、本格的放送開始前から既に発売されていたことになります。価格は¥21000。出力は1Wとなっており、これは左右両チャンネルを合計したものと思われます。当時の大卒の初任給は¥30600と統計にあり、これから類推するとこのラジオは現在価値では10万円以上、相当に高価な物だった筈で、オークションでも殆ど見たことが無いので販売台数も限られていた様です。ナショナルはこの頃からラジオ開発には熱心で、このラジオの他にも10万円を越す様なワールドバンドレシーバーを既に発売していました。採算が取れていたのか疑問ですが、松下幸之助社長の号令下、積極的に新製品の市場開拓をしていたのでしょう。このモデルは謂わば実際の放送前にある意味手探りで企画、製造、販売された物ですが、一応ステレオラジオとして最低限の機能とアクセサリは付いています。即ち、チューニングメーターを兼ねたステレオインディケーター(こんなアクセサリ今は有りませんね)、左右独立のボリューム、3段階のトーンコントロール、AFC、ダイヤルライト、大型のヘッドホンジャック等々。スピーカーは8cm?アルニコ型が2本。16石と当時としては豪華な回路ですが、音の方は多少籠った感じの古い音です。ステレオにするとノイズが高まるので電波が弱い所では外部アンテナが必要でしょう。ナショナルラジオはこの後ワールドボーイシリーズで世界をリードする性能、デザイン、品質迄一気に駆け上がりますが、このモデルはその前段階にある様に見受けられます。デザインは非常にオーソドックスでこれぞステレオラジオ、と言う感じです。この個体はコレクターの方から頂いた物ですが、コロナ禍で手持ちのラジオが増えてしまい、手放す事としました(申し訳有りません)。純粋にコレクターアイテムかと思います。50年以上経過した物としては殆ど傷も汚れも無く、全機能OK、非常に良い状態です。電池、革ケース付。